研究課題/領域番号 |
17659500
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
中井 正治 福井大学, 医学部, 助手 (50372496)
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研究分担者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
三輪 吉司 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10209968)
大山 伸幸 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (20223977)
棚瀬 和弥 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (00359720)
松田 陽介 福井大学, 医学部, 助手 (90345687)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 性機能 / 副腎 / アンドロゲン / CRF / ストレス / 排尿 / 視床下部 / 遺伝子 / 副腎性アンドロゲン / DHEA / レプチン / シグマ受容体 |
研究概要 |
これまで社会的ストレスを与えた雄性ラットに性行動障害を含めた性機能障害が発生し、テストステロンの低下とともに副腎性アンドロゲンであるdehydroepiandrosterone(DHEA)が低下することを報告してきた。社会的ストレスとしてコミュニケーションボックスを用いて性機能の変化を検討しDHEAの性機能への影響について検討した。その結果、 1,コミュニケーションボックスにて電撃刺激を与えた雌性ラットを視た雄性ラットには性行動障害が認められる。主に性行動潜時の延長がみられた。 2,性行動潜時の延長に対しDHEA投与はこれを改善するが、コントロールレベルにまでは到達しない。 3,10週齢SD雄ラットに両側副腎摘除(deoxycorticosterone acetateの補充)を行い、DHEA欠乏ラットを作成した(DHEA欠乏群)。またDHEA補充群も作成してその性行動を観察した。その結果、DHEA欠乏群はマウント回数少なく、intromission潜時長い、補充による改善傾向がみられた。しかし、コントロールレベルにまでは到達しない。 4,コミュニケーションボックスを用いて作成した性行動障害ラットの内分泌学的検討を行うと、ストレスホルモンであるグルココルチコイドの増加、CRFの増加もみられた。 以上の結果は、ストレスに起因する性行動障害が副腎性アンドロゲンであるDHEAの産生低下をもたらし、これが少なからず性機能に影響を与えている可能性がある。しかしこれを補充してもコントロールレベルにまでは改善せず、ストレスに起因する性機能障害には他の因子が関与しているものと思われる。その候補としてCRFが挙げられる。慢性ストレスに伴い視床下部・下垂体・副腎皮質系(HPA axis)の活性化、すなわちCRF-ACTH-glucocorticoid系の亢進が関連していると思われ、特にCRFは中枢のみならず末梢にも受容体の存在が確認されており、それ自体が性中枢や陰茎に作用していると思われる。現在CRF受容体遮断薬を用いた検討を行っており、近々に報告予定である。また、CRF受容体は排尿にも関与しており、CRF受容体遮断薬をストレスラットに投与すると排尿間隔の延長が得られるという結果をすでに報告した。
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