研究課題/領域番号 |
17659531
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
川内 秀之 島根大学, 医学部, 教授 (50161279)
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研究分担者 |
村田 明道 島根大学, 医学部, 助手 (90346388)
片岡 真吾 島根大学, 医学部, 講師 (60152667)
太神 尚士 島根大学, 医学部, 助手 (20304264)
石光 亮太郎 島根大学, 医学部, 講師 (90301291)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 上気道炎症 / Toll-like receptor / TLR2ノックアウトマウス / 副鼻腔炎 / 中耳炎 / real time RT-PCR / Laser captured microdissection |
研究概要 |
1.マウス急性鼻炎モデルの作製 急性鼻炎モデルと同様、C57BL6マウスを用いて、TLR2のアゴニストであるlipoproteinを点鼻投与し、鼻粘膜の急性炎症を誘導し、鼻腔粘膜についてHE染色にて検討を行い病理学的に検討した。また、粘膜におけるMIP-2発現について、免疫沈降-ウエスタンブロット法にて解析した。さらに、TLR2遺伝子欠損マウスを用いて、lipoproienあるいは生菌点鼻による鼻炎の病態について解析し、炎症病態の状況を観察した。 2.マウス急性中耳炎モデルおよび内耳障害モデルの作製 C57BL/6マウスの顎下部より中耳骨胞にTLRについてそのアゴニストを注入し、中耳炎成立後、骨胞を採取し、中耳貯留液中のMIP-2産生量(IL-8のマウス機能的ホモログ)をELISA法で測定した。さらに中耳粘膜や内耳の炎症所見を病理組織学的に検討した。さらに、TLR遺伝子変異マウス、TLR2ノックアウトマウスを用いて、肺炎球菌やインフルエンザ菌など、中耳炎の起炎菌を用いて骨胞に注入し、MIP-2発現および中耳粘膜さらには内耳の炎症所見について検討中である。 3.上気道粘膜上皮細胞におけるTLR遺伝子発現 慢性副鼻腔炎や鼻茸の患者から採取した鼻副鼻腔粘膜や鼻茸組織を用いて、免疫組織化学的検討(好酸球浸潤の程度、サイトカイン産生Th2細胞など)を行なった。さらにLaser-captured microdissection(LCM)を用いて、組織切片から鼻粘膜上皮や樹状細胞を切りだし、分子生物学的手法を用いて、TLRの発現を検討する系を確立した。 4.気道上皮細胞・肥満細胞からのサイトカイン産生におけるアレルギー治療薬の抑制効果 上気道の炎症病態に関わる肥満細胞や上皮細胞をIgEのクロスリンキングやPAMPにより刺激し、サイトカインやケモカイン産生のin vitroの実験系やin vivoでの急性鼻炎モデルを確立して、抗ヒスタミン薬や免疫修飾作用のある薬剤を用いた炎症病態の制御に関する種々の検討を行い、成果をあげた。 5.IL-8遺伝子転写とTLR下流のシグナル伝達機構について IL-8遺伝子プロモーター領域には、NF-κBおよびAP1結合エレメントが存在する。TLRの各種アゴニストを用いて鼻粘膜由来の上皮細胞の刺激を行い、IL-8遺伝子発現をノーザンブロット法かリアルタイムPCR法にて解析を行い、蛋白レベルの発現をウエスタンブロット法にて検討した。また、AP1を誘導するMAPKinase経路について、ウエスタンブロット法およびキナーゼアッセイにて検討した。NF-κB経路については、ルシフェラーゼアッセイでの検討を行った。
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