研究課題/領域番号 |
17659566
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
篠澤 洋太郎 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30129465)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 脳蘇生 / 心肺停止 / 虚血再還流 / 脳障害 / フリーラジカル / 酸化 / 抗酸化 / 脱血 / 脳波 / BISモニタリング |
研究概要 |
目的:心肺機能停止患者に対する心肺蘇生法の究極は脳保護であるが、現在スタンダードとされている心肺蘇生法は、虚血再還流により脳傷害を増悪させる可能性がある。本研究では心肺停止後比較的時間が経過した症例では、心肺蘇生法と同時に(可能であれは直前に)free radical scavengerを投与することの有用性を明らかにすることを目的とした。 方法:雄性Spraugue-Dowleyラットを用い、当初、脳表においた白金脳波電極をBISモニターで観察することを計画したが、安定したSQI、EMG、EEG波形の観察は困難であったため、まずは、臨床に則した心肺停止蘇生モデルにての全身での酸化、抗酸化動態を観察することとした。ネンブタール40mg/kg麻酔下に頸動脈にカニュレーションし、血圧、脈拍(尾動脈)を測定。5mlずつヘパリン加に脱血、血圧を20-30mmHgとした後、返血、血圧、脈拍を観察した。(1)脱血前、(2)5ml脱血時、(3)10ml脱血時、(4)返血後に採血、血漿分離後、血漿の酸化能(d-ROMs : reactive oxygen metabolites)、抗酸化能(BAP : biological antioxidant potential)をフリーラジカル測定装置にて測定した。また、麻酔、カニュレーションのみで、脱血・返血はしないラットをコントロールとした。 結果:脱血・返血ラットでは、d-ROMs:(1)611U.CARR、(2)548、(3)476、(4)467、BAP:(1)2489μmol/l、(2)2866、(3)1984、(4)1286と、酸化能、抗酸化能ともに経過とともに低下した。コントロールラットでは、d-ROMs:(1)408U.CARR、(2)395、(3)479、(4)360、BAP:(1)2585μmol/L、(2)2537、(3)2551、(4)2640と、酸化能は漸減したが、抗酸化能は維持されていた。 考察と結語:脱血・返血モデルにおいては、予想に反し酸化能の増加は観察されず、抗酸化能の低下が観察された。心肺機能停止・蘇生においては、酸化能とともに、抗酸化能も低下し、immunocompromisedとなることが考えられた。
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