研究課題/領域番号 |
17659613
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
熱田 充 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60002135)
|
研究分担者 |
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80253681)
吉田 圭一 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70230729)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 光触媒 / 酸化チタン / マスクメロン / 歯冠用レジン / 機械的性質 / 抗菌 / 防汚 / 消臭効果 / メチレンブルー |
研究概要 |
近年進展が著しい酸化チタン光触媒を歯冠用レジンに添加して、その生体機能性を飛躍的に向上することを目的としている。酸化チタン粒子表面をマスクメロン模様の不活性セラミックスでコーティングした被覆型酸化チタンをコンポジットレジンのフィラーとして添加し抗菌性を付与する事が可能と思われた。 1.コンポジットレジンの物理的性質の耐久性試験 多官能コモノマー(TEGDMAとUDMA)と平均粒径8.4μmのシリカを液粉比で3:1に混和し、光重合開始剤と還元剤を加えた。これに、平均粒径5.0μmのマスクメロン型酸化チタンを、前年度メチレンブルーによる脱臭効果が認められた10wt%添加したコンポジットレジンペーストを調整した。また、酸化チタン無添加をコントロールとした。その後試験片を37℃水中に3ヶ月間浸漬し、3点曲げ強さを測定した。水中浸漬3ヶ月後は、酸化チタン無添加のコントロールと10wt%添加したものはいずれも若干曲げ強さが低下しただけで、10wt%添加したものはコントロールとも差がなく、酸化チタンの添加がもたらす有機物の破壊による物性の劣化は、長期水中に浸漬後もほとんど認められなかった。 2.抗菌・防汚・消臭効果の持続性の判定 口腔内での長期安定性を確認するために、37℃水中に1ヶ月間保管した試験片について、コーヒーでの着色に対して除去効果はあまり認められなかった。 3.床用・人工歯への応用 多官能モノマーの代わりにMMAモノマーを使用して同様に試験片を作製し、歯冠用レジンの場合との効果の違いを確認したが大差はなかった。 以上の事から、マスクメロン型光触媒酸化チタンを歯冠用レジンに10wt%添加する事による物性の低下は長期的にも認められなかったが、抗菌や防汚効果を十分に発揮するためには添加量が不十分で、作用発現効果を高めるために改良する必要があると思われた。
|