研究課題/領域番号 |
17659643
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
大関 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80117077)
|
研究分担者 |
前田 顕之 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70333242)
橋本 憲一郎 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (00412619)
清島 保 九州大学, 大学院歯学研究院, 助手 (20264054)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 標的分子 / S100蛋白 / SCCA / 個別化治療法 |
研究概要 |
S100A7は皮膚や食道の扁平上皮癌での特異的発現や癌形質への関与が報告されてきた。しかし、扁平上皮癌に関する報告はなく、この発現調節機構解析を目的とした。ルシフェラーゼレポーターアッセイにて、口腔扁平上皮癌由来細胞株でのみ、約1.25kbと約1.5kbのS100A7プロモーター上流域をもつベクターに高い転写活1生を認めた。-1248/-1110、-1109/-988、-1248/-988の領域を各々欠失させたベクターでは遺伝子発現活性減少を認めた。また、-1513/-1249、-1248/-1110、-1109/-988領域を組み込んだベクターでは遺伝子発現活1生上昇を認めた。ビオチン標識プローブ(-1248/-1110)を用いたゲルシフトアッセイでは、扁平上皮癌細胞株では特有のDNA-核蛋白複合体が観察された。以上より、口腔扁平上皮癌におけるS100A7転写活性上昇には、遺伝子上流約-1.0〜-1.5kbに存在する転写制御部位が関与することが示唆された。また、-1248〜-1110の領域に結合し得る数種の核蛋白が検出され、口腔扁平上皮癌には特有なDNA-核蛋白複:合体が観察され、今後追求予定である。 SCCAは扁平上皮癌特異的腫瘍マーカーとして使用されている。マーカーのみでなく、腫瘍形成に直接的な影響を及ぼすとされ、抗癌剤、放射線などの細胞死誘導に対して抵抗性を示すことなどが報告されている。ただし、腫瘍形質への影響、発現調節機構などは詳細に解明されていない。そこで、発現機構解明を前提としたSCCAの腫瘍形質への影響を検索した。アンチセンス法にて恒常的にSCCAの発現を抑制させた細胞株を樹立した。今後、細胞形態、増殖能、浸潤能など腫瘍形質獲得の観察し、また、サイトカインや抗癌剤を用いた細胞の反応、アポトーシス誘導抵抗性などを検討し、機能解析を図る予定である。
|