研究課題/領域番号 |
17659661
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川口 陽子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20126220)
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研究分担者 |
品田 佳世子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (60251542)
植野 正之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70401388)
阿部 智 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90376749)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マスメディア / 新聞 / 健康情報 / タバコ / 歯周病 / 口腔癌 / 口臭 / フッ化物洗口 |
研究概要 |
人々が健康情報を得るための重要な手段の一つに、新聞、テレビ、ラジオ等のマスメディアがある。本年度は新聞に掲載されたタバコに関連する口腔保健情報について分析を行った。データベース「日経テレコン21」を用い、1993〜2004年に日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞に掲載された記事を収集し分析を行った。その結果、タバコと口腔疾患との関連記事は12年間で173件、年平均では約14件であり、これまで調査したう蝕(44件/年)や口臭(32件/年)に関する記事数と比較して少なかった。また、タバコの口腔への影響として最も多く提供されたのは、歯周病に関する情報(99件)で、次が口腔癌(44件)であった。タバコ関連疾患の中でも特に口腔疾患に関する情報提供は非常に少ないことが判明した。 現在、女性や若者の喫煙率の増加が大きな問題であるが、タバコの影響による口腔内症状は直接目で確認できる部位に発現するため、禁煙や喫煙防止へのインパクトは大きいと考えられる。また、タバコによる全身の健康被害が発生する以前の初期段階でのセルフチェックや、禁煙指導を行う際の動機づけとしても利用しやすい。したがって、タバコと口腔疾患との関連情報を国民に提供していくことは重要と考えられた。 しかし、マスメディア等を通した集団へのアプローチ、特に新聞を通したアプローチは、個々の状況には対応できず、また、時間・紙面・文字数など,その情報提供は質、量ともに制限される。本研究においても詳細を述べた記事は半分以下であった。 歯科専門家は歯科診療所で個々の患者の状況に即した助言や、具体的な方法を示す個別の禁煙支援を実施すると同時に、マスメディアを有効に活用し、国民に適切な情報を提供していくことが重要であると考察された。今後、どのような情報をどのように提供していくことが効果的なのかを行動科学的に分析していくことが必要と思われた。
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