研究課題/領域番号 |
17659666
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会系歯学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
埴岡 隆 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00144501)
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研究分担者 |
金崎 信夫 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (60099041)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 歯周病 / 生活習慣病 / 生化学検査 / 健康支援 / 歯肉溝滲出液 / 口腔保健 / 動機付け / 行動変容 |
研究概要 |
歯周組織の破壊性炎症は歯の支持機能を低下させ、歯の喪失はQOL低下や全身の健康にも関係する。本年度の研究では、歯肉溝滲出貯留液(GCRF)中の炎症性物質と健康状況との関連性を検討した。職場でGCRFを簡便に採取するために、プロッティング(筆吸引)法を応用した標準器具を開発した。これまで口腔の1点からの採取が、歯肉溝に貯留している滲出液をより広範囲から採取することが可能となり、さらに、採取した多数試料の一時保管、検査センターへの搬送、検査センターでの分析、検査結果の検査受診者へのフィードバックの一連の検査システムを構築した。 事業所従業員200名から採取したGCRFを検査センターに搬送し、ヘモグロビン(Hb)、α1-アンチトリプシン(AT)、ラクトフェリン(Lf)、IgA、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(AST)、アルカリフォスファタHゼニ(ALP)を一括して定量した。歯周組織の健康状況は地域歯周疾患指数(CPI)により、また、健康状況はライフスタイル因子(35項目)、自覚症状(37項目)、口腔保健状況(20項目)の3つのカテゴリーを含む質問紙により評価した。 ロジスティック回帰分析では、3つのカテゴリーの質問項目のうちHbは3、0、3項目、ATは1、1、1項目、Lfは7、0、2項目、IgAは4、0、0項目、ASTは2、0、2項目、ALPは2、0、3項目と有意に関連した。また、Hb、Lf、AST、ALPはCPIと有意に関連した。 GCRF中の炎症性物質は、口腔および全身の健康状況と関連していることから、歯周組織の炎症状態を反映するGCRF検査結果を口腔の炎症状況と関連づけ、健康のための行動変容の動機づけの説明に応用できる可能性が示唆された。 さらに、開業歯科医院における検査について予備検討を行ない検査システムの運用が可能であることが示唆された。
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