研究課題/領域番号 |
17659674
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎看護学
|
研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
黒江 ゆり子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (40295712)
|
研究分担者 |
矢野 智司 京都大学, 教育学部, 教授 (60158037)
宝田 穂 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00321133)
田中 結華 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (80236645)
藤澤 まこと 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (70336634)
鬼塚 哲郎 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (00152520)
普照 早苗 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (80336635)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 慢性の病い / 慢性疾患 / クロニックイルネス / 病いとともに生きる / living with illness / 生活者 / インタヴュー / ライフストーリー / ライフストーリィ |
研究概要 |
R.アトキンソンのライフストーリーインタビュー法にもとづき、慢性の病い(1型糖尿病、2型糖尿病パーキンソン病、ミトコンドリア脳筋症、HIV感染症、精神障害)とともにある人々にインタビューを行なった。インタビュー内容のそれぞれの面について概略または要約を書き上げ、人生の段階あるいはインタビュー対象者の関心に従って、時間の流れを踏まえながら個人の語りからそれぞれのライフストーリーを描き出した。描き出されたそれぞれのライフストーリーは、インタビューイーによる内容の確認を得た。その上で、慢性の病いとともにある人々にとって日々の生活の中でどのような「言いづらさ」があるのかについて検討を行なった。「言いづらさ」として表現された状況とそこに登場する人物は多様であったが、「説明しても分かってもらえず、どのような病気かを根掘り葉掘り聞かれる」(登場人物:知り合いの人)、「自分の身体の調子の悪さを伝えられるような説明ができない」(登場人物:職場の人)、「友人に病気のことが言えずに、いつも後ろめたく思っていた」(登場人物:友達)などは複数事例で同様の状況が示された。人々は自分の病気について力を振り絞って他者に伝えようするが、分かってもらえない事態に直面すると、その後は病気について言いづらくなったり、言えなくなったりすることがある。さらには、病気について言えない状態で人間関係を継続していることに後ろめたさや辛さを抱くことがあるという示唆を得た。また、このような状況においても、他者にどのように伝えるかは一律的に考えることができないということに気づくと、その瞬間から、人は他者の話を聴く側に移行するという新たな状況が生まれることも示された。
|