配分額 *注記 |
7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2005年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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研究概要 |
本研究は,他者との対話場面をおいて人が態度や行動を変化させる際の外的な要因として音声の韻律的特徴が与える影響を解明することを目的としている。特に,音声の韻律情報が発話された内容の意味の解釈に対して強力な影響をもつ可能性に注目し,他者との対話場面において発話された音声の韻律的特徴が,聞き手の態度や行動を変化させる要因となることについて心理実験を通して検証することを目指した。 心理実験では,「状況」という外的な要因が人の韻律認知に影響を及ぼすのではないかという仮説を検証した。その結果,仮説の妥当性をある程度示唆するような実験結果の傾向が見られた。具体的な結果の一部として,認知的負荷の高い状況においては,人は注意喚起を伴う行動指示を受けた際に韻律的特徴の誇張された音声よりもむしろ落ち着いた印象のある平静的な音声に従いやすいという可能性を示唆していると考えられる。 これらの知見をもとに,音声による指示をもとに仮想的に自動車を運転する課題を通して音声の韻律的特徴が実際の人間の行動に対してどのような効果を与えるかを検証した。この際,実験協力者には目隠しをし,音声の指示に従ってハンドル操作を行うように教示が与えられた。提示される音声はこれまでの研究を通して得られた知見をもとに指示語の韻律的特徴を変化させたものを利用した。その結果,音声のピッチや話速が行動(運動)のすばやさや慎重さに対して大きく寄与することが明らかになった。
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