配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
2007年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2006年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2005年度: 17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
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研究概要 |
本課題では,ロボットと人間との相互協調系について"力学系の視点からの解析"と"人間とのインタラクション実験"によって,その特徴を明らかにすることを目的としている. 人間同士の相互協調を考える際,互いの行為モデルを獲得することは不可欠である.しかし人間は複雑な行為モデルを有するため,その完全なモデルを獲得する事は不可能であり,現実には可能な限り早く"有効な近似モデル"を獲得することが重要となる.平成19年度はこれまでの研究をベースに,「他者」モデル獲得をテーマとして研究を展開した.具体的に本研究では「幼児が外部環境や協調者(親)を理解する際,自己身体の順逆モデルを変換し,再利用することで学習コストを軽減している」という仮説を立て,ロボットを幼児に見立てた物体操作模倣(Emulation)発達過程モデルを提案した. 提案モデルは以下の5つの学習段階を持つ.(step 1)ロボットによる自己身体・物体操作のバブリングと再起結合神経回路モデルを用いた順逆モデル獲得,(step 2)協調者とロボットにおける同一物体操作によるインタラクション(三項関係),(step 3)step 2における協調者によるロボットの模倣,(step 4)混合エキスパート神経回路モデルによる入出力(視野)変換モデルの自己組織化,(step 5)ロボットによる協調者行為予測のための変換モデル選択と模倣. 実験の結果,ロボットは協調者予測のための変換モデルを少数回インタラクションで獲得し,これを用い他者(協調者)の視点での物体操作模倣が可能であることが分かった.さらにインタラクション中に未出現の物体操作の模倣,物体操作中の静止画像からの全体動作連想などが可能であることを確認した.これらを模倣に関する知見(Piaget,1996やRizzolatti,1998など)と比較し,その妥当性を議論した.今後はより高次の模倣(MimicやImitation)への拡張と人間とロボットの相互適応系への応用に取り組んでいく.
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