研究課題/領域番号 |
17680023
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 |
研究代表者 |
NORBERTO・E NAWA 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究員 (40395116)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
2006年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2005年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 意思決定 / 感情 / 社会心理 / 後悔 / 意志決定 |
研究概要 |
人間は日常生活の様々な場面において他者とやり取りを行い、決断を強いられる。その意思決定の際、人間は他者から影響を受けたり、別の多くの他者に影響を与えたりする。社会・経済システムの動きは、個々人各々の意思から帰結した行動によって構成される。そのような複雑な社会・経済システムを理解するには、ますます人間の行動や意思決定メカニズムを理解する必要がある。本研究では、「他者の存在」が人間の意思決定過程(行動レベルと脳活動レベルで)とそこから創出される感情にどのような影響を与えるのかを検討した。本研究のこれまでの成果からは、他者との関係が厳密に協調的・競争的ではない場合も、自分が得た報酬を評価するときに「他者」が得た報酬は一つの重要な基準となることが分かった。特に、意思決定者が見落とした選択肢が他者の存在によって顕著な評価基準となり、「後悔」が増加すると明らかになった。この成果を踏まえて、今回は新たな実験課題を設計し、社会的意思決定(social decision-making)と非社会的意思決定(non-social decision-making)を行う際に機能的磁気共鳴画像法を用いて人間の脳活動を分析した。実験結果は次の2つにまとめられる。ア)社会的な意思決定時に、amygdala、medial prefrontal cortex、anterior cingulateの領域がより高い活動を示すことが明らかになった。イ)一方、非社会的な意思決定時に、ventral striatum (nucleus accumbens)の活動が比較的高いと明確になった。今後の課題は社会的な場面において他者の存在による報酬系の調節を明らかにすることである。
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