配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2007年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2006年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2005年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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研究概要 |
階層化されたアドレスを指定することで,アドレスに対応したデータを取り出すことのできるDNAメモリとして,DNAの増幅を段階的に行うNested PCRを利用したアドレッシング方法に基づくNested Primer Molecular Memory(以下,NPMMと呼ぶ)を提案している.このNPMMを用いて,秘密情報をDNAの塩基配列の形でコードし,セキュリティの高い情報伝達媒体としての利用を提案した.各アドレスはそれぞれ独立しているため,分散鍵としての役割を果たす. 本年度は,昨年度構築した3階層両側16配列(約16.8M)のNPMMのアドレッシングに関するスケールアップと応用に関する研究を行った.スケールアップについては,DNAメモリのアドレッシング動作における制約を数理モデルとして表現し,容量の最大化問題を組み合わせ最適化問題としてモデル化する方法を提案した.そして,実際にその最適化問題を解くことによって,DNAメモリの容量限界やアドレス分子の割当て戦略について明確にした. また,NPMMの応用領域について検証した.具体的には,NPMMをある濃度まで希釈すると,アドレス空間に対するDNA分子の量が不足するためアドレスの欠損がランダムに起こることを利用して,理論的に再構築困難なDNAインクへの応用について検討した.NPMMを希釈後,PCR増幅を行ったDNAメモリのあるアドレスが欠損している状態が,試行ごとに異なることを示し,NPMMがアドレッシング結果を利用した個人認証などへ応用可能であることを示した.
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