配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2005年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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研究概要 |
本研究では,品種改良(交雑育種)の効率化に着目し,花粉の「形状」,「模様」,「色彩」を定量的な指標で計測量し,花粉の遺伝的な特徴を自動的に解析するシステムの実現を目的とする。 (1)画像自動計測システムの構築 マイクロスコープ,XYZ軸マイクロマニピュレータ,そして制御・解析用PCから構成される自動計測システムを開発した。マイクロスコープの映像はビデオ信号(実時間画像転送が可能)及び高解像度静止画像(転送時間が1秒程度)の2系統による出力を可能とした。花粉等を操作する場合には,ビデオ信号より連続的に画像処理を行い,マニピュレータを花粉等の目的の位置まで制御することが可能となった。そして花粉を解析する場合には,高解像度のデジタル画像を用いることが可能となった。花粉の遺伝的な特徴を解析する指標の計測方法については,すでに提案しており,これを本システムに実装することによって,花粉解析の自動化が実現できた。 (2)花粉解析のための花粉の操作実験 Ragweed及びBlack Walnutの花粉(粒径20〜40μm)を用いて,マニピュレータによる花粉の操作が可能かを実験した。その結果,花粉が単体で位置する場合には,自動で花粉の位置を計測し,マニピュレータで採取することが可能となった。この成果で新規的なことは,マイクロスコープの奥行き方向の距離を推定できることである。これによって,マニピュレータの先端と花粉との高さの違いを機械が認識し,自動制御で高さを合わせることができる(10μm程度の精度で位置決めが可能)。ただし,複数の花粉が密接している場合は,個別の花粉を認識すること(画像認識の分野でも大きな課題の一つ)が困難であるため,今後はこれを課題とする。なお,本研究の成果は,花粉の操作に限らず,様々なマイクロ粒子の操作に応用することが可能であり,他のアプリケーションについても検討を進める。
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