研究課題
若手研究(A)
野菜には生活習慣病や老化を予防する機能性成分が多く含まれることが明らかになっている。近年、市場では色の異なる野菜や小型のものなど、見た目に珍しい野菜が出回わり、野菜を購入する際の選択肢が多様化している。そこで本研究では、野菜に含まれる機能性成分のうちラジカル捕捉活性とそれに寄与する成分について着目し、本年度は、野菜の品種、栽培条件、大きさ等に焦点をあて研究を行った。大きさの異なる野菜として、大ショウガと小ショウガの成分を比較したところ、アスコルビン酸量は相違ないものの、総ポリフェノール量やラジカル捕捉活性は大ショウガの方がやや高いという結果が得られた。次に、形状の異なる7品種のナスを用いて、塩もみ・浅漬け・揚げる・煮る・蒸す・焼くの各調理を行い、調理適性を明らかにするとともに、各調理法における美味しさに影響を与える食感について検討したところ、調理後のおいしさと食感、調理適性に品種間差があること、同品種内でもそのおいしさは調理法により差があることが示された。ラジカル捕捉活性は米ナスが最も高く、庄屋大長が最も低かった。栽培条件として、生育日数と機能性成分との関連性を調べたところ、ヤマトマナのラジカル捕捉活性は播種後11日目が最も高く、生育日数の増加に伴い低下し、26日目では11日目の約60%であった。総ポリフェノール量はラジカル捕捉活性と同様、生育日数の増加に伴い減少した。コマツナのラジカル捕捉活性と総ポリフェノール量もヤマトマナと同様の変動傾向を示した。さらに、LED照射によるカイワレダイコンの栽培を行い、LED照射の機能性成分への影響を検討したところ、LED照射試料では、太陽光に類似した波長を持つメタルハライドランプ照射に比べて各機能性成分は低値を示した。また、生物リズムが異なる変動を示すことが明らかとなった。
すべて 2007
すべて 学会発表 (2件)