配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2007年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2006年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2005年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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研究概要 |
人工湿地における内分泌撹乱化学物質の除去機構を明らかにするために,異なる滞水層厚の湿地条件と異なる植栽基盤深さを組み合わせ,合計6系列の人工湿地を作製した.人工湿地は砂基盤で構成される0.18m^2のベンチスケールの湿地であり,それぞれ下水二次処理水が間欠的に等量流入する仕組みを施し,2年間継続して実際の下水二次処理水を流入させている.そして,これら6系列のベンチスケールの人工湿地からの流出水中に残存するエストロゲン活性をエストロン,17-β-エストラジオール,エストリオールおよびエチニルエストラジオールの各濃度により評価した.その結果,滞水層厚に関係なく植栽基盤が浅い人工湿地でよりエストロゲン活性が低減化されることが明らかとなった.一方,植栽基盤が深い人工湿地では滞水層厚が薄い方がエストロゲン活性が低減化されることが明らかとなった.これらの結果から基盤が浅く,滞水層厚が薄い好気的な環境になり易いと考えられる湿地基盤において,エストロゲン活性の低減化がより期待できることが示された.また,エストロン,17-β-エストラジオールおよびエチニルエストラジオールの各エストロゲンの分解性には大きな差異がないことが明らかとなり,基盤が浅く滞水層厚が薄い好気的な環境になり易いと考えられる湿地基盤においては,70パーセント以上の除去率が期待できることが明らかとなった.このように人工湿地における植栽基盤条件と各種天然エストロゲンの除去性との関係を明らかにすることに成功し,ナノグラムレベルで水中に存在するエストロゲンの高度処理に適した人工湿地の設計に必要な基礎的知見を蓄積することができた.
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