配分額 *注記 |
30,420千円 (直接経費: 23,400千円、間接経費: 7,020千円)
2007年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2006年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2005年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
|
研究概要 |
独自の設計に基づいて作成した二段階集光マイクロビームシステムに,ミラーからの電子が検出器に入らないように改良を加えたうえでSPring-8 BL23SUに設置し,Fe/Ni/Cu(100)磁性薄膜についてマイクロビームと深さ分解XMCDを組み合わせた三次元磁気解析を行った。この実験から以下のような二つの結果を得ることが出来た。 1.Ni(6 ML)/Cu(100)薄膜を面内方向に磁化し,その後でFeのマイクロパターンを蒸着して三次元XMCD測定を行った。200μm×40μmの試料に関して詳細な解析を行ったところ,試料の中心付近では通常の磁化容易軸の方向にきれいにスピンが配列しているものの,端の方ではそれが最大45度程度,面内方向で回転していることがわかった。さらに,通常の磁化容易軸を向いている部分と斜めの部分のそれぞれで深さ分解をしたところ,前者では特に表面と内部で違いは見られなかったのに対し,後者では表面において特異なXMCDスペクトルが観測され,通常とは異なる特殊な磁気状態にあることがわかった。 2.同じく面内方向に磁化したNi(6 ML)/Cu(100)薄膜の上に,位置によって厚さが少しずつ変わるようにFeを蒸着し,マイクロビームの位置分解能を利用して詳細なFe膜圧依存を測定した。予想通り,面内→面直→面内という二回のスピン再配列転移が観測されたが,最後の面内領域では最初に比べて90度磁化が回転していることがわかった。さらに,転移の過程を詳しく見ると,斜め磁化と思われる領域があったり,同じ斜めでも突然逆側に倒れる部分があったりと,単純な面内⇔面直の行き来ではないことが明らかになった。
|