配分額 *注記 |
30,680千円 (直接経費: 23,600千円、間接経費: 7,080千円)
2006年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2005年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,光の周波数領域で負屈折率物質を創製することである.このような物質は自然界には存在しないので,人工的に作り出さなければならない.そこで,ベースとなる物質の中にマイクロメートルサイズの金属製コイルを3次元的に多数つくり込み,その物質を光に対して応答させるというメカニズムを考案した.そしてこの手法の有効性の検証と3次元金属微細構造体を作製するための加工方法の開発を行った.今年度は,電磁気学的な解析に基づき,可視光域において大きな透磁率変化を生み出すマイクロ共振器構造の設計方針を明らかにし,その具体的な形状の提案を行った.またメタマテリアルの応用技術として,透磁率を正方向に調整したメタマテリアルを用いると従来の光学理論では説明できないs偏波の光に対してBrewster条件を実現できることを見出し,それを用いた新しい光機能素子を提案した.そして,この素子を用いると,物質の境界面で生じる光の反射を完全に押さえ,100%の効率で光りをある物質から別の物質へ透過させることができることを示した.この技術を用いると,例えばガラスでできた光ファイバーの中に端面での光反射ロスなく光波をカップリングできることを提案した.また,3次元金属微細構造体の作製方法の開発では,フェムト秒チタンサファイアレーザーを用いた多光子光還元を用いる手法において,金属イオンの濃度ならびに添加する色素を最適化することで,その空間分解能を約300nmにまで高めることに成功した.
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