研究課題
若手研究(A)
路面雪氷正常予測モデルの改良について、数値計算また、補足的な室内実験により検討を進めた1 単一層路面雪氷状態モデルの課題抽出(1) 雪氷厚および質量含氷率の計算誤差が、雪氷厚の増大に伴って、雪氷厚20mmを境に急増する。(2) 単一層路面雪氷状態モデルの適用範囲は、雪氷厚20mm以下が望ましい。2 多層路面雪氷状態モデルへ改良し、適切な雪氷分割要素厚により、計算精度の向上に努めた。(1) 多層路面雪氷状態モデルの方が、先出の単一層路面雪氷状態モデルより高く、雪氷厚が20mm以下であれば、計算精度は無次元計算誤差0.06以下(雪氷厚の計算誤差1.2mm以内)となる。(2) 多層路面雪氷状態モデルでの雪氷分割要素厚は初期雪氷厚の2割程度で良い。3 路面薄雪氷層に入射するアルベドと透過率を考慮したモデル改良を行った(1) アルベドは、雪氷密度および質量含氷率で規定され、厚さ0.04m以下の薄雪氷層では融解に伴うアルベドの低下は著しい。(2) 透過率は、雪氷厚の増加とともに指数関数的に低下し、その低下率は湿潤、シャーベット、乾燥雪の順で大きくなる。(3) 透過率は、雪氷厚と水、氷および空気の体積割合で表現できる。4 雪氷層と路面との間の接触熱抵抗の考慮した改良を実施した(1) 雪密度が増加するにつれて、乾燥積雪路面の接触熱抵抗は指数関数的に減少する。(2) シャーベット路面の接触熱抵抗は、質量含氷率が0.6以下では湿潤路面の値(1.1×10-3m^2K/W)と変わらないが、0.6以上になると非線形的に増加する。(3) 雪氷状態に係らず、接触熱抵抗は体積含空率の増加に伴って指数関数的に増大する。今後は、凍結防止剤の散布に伴う雪氷性状の変化を取り入れたモデル改良が必要である。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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