配分額 *注記 |
28,990千円 (直接経費: 22,300千円、間接経費: 6,690千円)
2007年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2006年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2005年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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研究概要 |
1.鞭毛形成と共役したペリクル形成開始の制御motAやhag遺伝子など鞭毛形成後期遺伝子の欠損株では、ペリクル形成の遅延が見られる。それらの変異株では、ペリクル形成開始に必要な転写因子SlrRの活性が低下していた。また、枯草菌実験室株では、SlrR制御下の遺伝子群の発現が低下していることを見出し、その原因を探った結果、実験室株ではSlrAと名付けた遺伝子の発現が低下していることが明らかになった。SlrAは、SlrRのC末端側のドメインと高い相同性を持つこと、slrA欠損株では、SlrRの活性が消失することから、SlrAはSlrRと複合体を形成して機能していると考えられた。motAやhag変異がSlrR/SlrAにどのように影響するのかさらに解析を進めている。 2.DegUによる代謝制御 枯草菌のペリクル形成は、炭素源の量に依存して促進される。野性株を1%グリセロールを含む培地で培養した場合、対数増殖期には、炭素源の消費に伴い生じる酢酸などの酸の分泌により培地pHが低下し続けるが、定常期にはいるとTCA回路の活性に依存して培地pHが中性になる。しかし、degU変異株では,定常期に培地pHが酸性化じ、degUが糖代謝に何らかの役割を果たしていることが示唆された。しかし、degU変異では、解糖系、TCを構成する遺伝子群の発現に大きな影響は見られなかった。培地pHが酸性になると、定常期に活性化するシグマ因子σHが、不安定化するが、degU変異株でも、σHで転写されるkinA,spoVGの発現が低下していた。また、spoVG変異株では、degUと同様に、定常期に培地pHの低下が見られた。このことから、σHの活性化自体が定常期のpH上昇に必要であること、DegUがσHの活性化に関与している可能性が示唆された。
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