配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2007年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2006年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2005年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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研究概要 |
タンパク質の翻訳後修飾はタンパク質の活性調節や分解の制御など、タンパク質そのものの機能にとって重要であるだけなく、細胞内シグナル伝達においても重要な役割を果たしている。しかし、個々のタンパク質についての翻訳後修飾の解析は進んでいるものの、その全体像はまだ不明である。そこで本研究では解析の対象をプロテオームに拡大し、タンパク質翻訳後修飾の全体像(モディフィコーム)を解明するための基盤となる技術開発をおこなった。これまでの研究において、分裂酵母で予測されている約5,000種類の全ORFの3'末端にFLAGおよびHis_6タグを融合させて発現できるようにした株から、His_6タグを利用して各発現タンパク質をハイスループットに精製する系を構築していた。本年度はその検出系にもさらに改良を加え、これまでよりも10倍程度高い感度でシグナルを検出できるようになった。このようにして確立した実験系を用いて実際に発現させた約5,000種類のタンパク質の精製をおこなった。精製したタンパク質を用いて1枚当たり1,536スポットからなるプロテインアレイを作製し、現在約100種類に及ぶ翻訳後修飾を特異的に認識する抗体で順次検出をおこなっている。各遺伝子を過剰発現した細胞から抽出した全細胞抽出液を用いて電気泳動をおこない、同様の抗体で検出するスクリーニングもおこなったが、精製タンパク質によるプロテインアレイを用いた方法では電気泳動法よりもはるかに多くのタンパク質の翻訳後修飾を検出できることがわかった。まもなく完成するこの第一次モディフィコームマップにより、細胞内タンパク質の翻訳後修飾に関する情報が飛躍的に増加することが予想され、個々のタンパク質の機能解析にも有用な情報が提供できると期待される。
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