研究課題
若手研究(A)
19年度は極小モデル理論の対数的標準化を目指して奮闘した一年であった。17年度と18年度に、HaconとMcKernanを中心に、極小モデル理論は大発展した。それらの結果をすべて対数的標準対という世界で成り立つことを証明したいのである。錐定理などの基本的な枠組みは、Ambroの先駆的な仕事を受け、十分一般的な形で完成することができた。残った問題はフリップの存在問題と、フリップの停止問題、アパンダンス予想である。これらの問題の解決が夢である。4次元の場合は、フリップの存在を3次元の可約な多様体のアパンダンス予想を使うことによって証明出来た。かなり難解な証明である。結局、4次元では対数的標準環が有限生成であることまで証明出来た。Birkarの最新の結果や、私の修士論文の結果、福田による川又の定理の一般化など、現在までに知られている結果を総動員しての解決である。このような方法は現在のところ高次元の多様体には適用出来ない。ここが問題点である。今後の課題である。また、トーリック多様体上のコホモロジー群の消滅定理に関しても研究を続けていた。これは、簡単な手法で強い定理が証明出来るという理想的な結果になった。自信作である。19年度はたくさんのプレプリントを書いたが、投稿をさポっている論文がかなりの数存在する。20年度中にはすべて投稿していきたいと思っている。最近の極小モデル理論は発展が早いので、一線で活動するのはかなり大変な状態だと痛感している。来年以降も頑張って行きたいと思う。
すべて 2008 2007 2005
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (10件)
Math. Z 257
ページ: 631-641
Oxford Lectunes Sen, Math. Appl. 35
ページ: 63-75
Oxford lectunes Sen, Math. Appl. 35
ページ: 49-62
Proc. Japan Acad. Ser. A Math. Sci. 81
ページ: 174-179
40007140165
Proc.Japan Acad.Ser.A.Math.Sci. 81
ページ: 80-84
40006982735