配分額 *注記 |
31,070千円 (直接経費: 23,900千円、間接経費: 7,170千円)
2007年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2006年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2005年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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研究概要 |
三つの3-ピリジル基を有するディスク状三座配位子(L)と十種類の二価遷移金属イオン(M)から形成される八面体型M_6L_8カプセル型錯体のうち、Zn, Cd, Hg錯体について、カプセル錯体の内外に位置する12個の対アニオンであるトリフルオロメタンスルホン酸アニオンのうち、内側に位置する6つのイオンのみを選択的に他のスルホン酸アニオンへ交換できることを見出した。これにより、2nm径のカプセル錯体の内部空間を修飾することが可能となった。さらに、アニオン分子として、ビススルルホン酸アニオンを用い、八面体の頂点に位置する金属イオンの両極点を連結することために、様々な長さの軸状ビススルホン酸アニオンをデザインし、交換現象を追跡した。その結果、カプセル錯体上の金属イオンにより、交換現象が異なることが明らかとなった。例えば、Hg(II)カプセル錯体では、軸状アニオンを二等量まで段階的に交換し、三等量目は外側のアニオンとの交換が起こり、沈殿を生じた。一方、Zn(II)およびCd(II)カプセル錯体ではともに、三つの軸状アニオンが導入され、また、これらが段階的に導入される様子は見られなかった。さらに、一分子の軸状アニオンを導入したHg(II)カプセル錯体に対して、さらにp-トルエンスルホン酸アニオンを加えると、残る4箇所のトリフルオロメタンスルホン酸アニオンが交換され、二種類のアニオンにより交換されたカプセル分子を生成した。これらの交換現象はカプセル錯体の質量分析により同定を行った。今後、カプセル内部に位置するアニオンの空間情報やカプセル分子との相互作用を明らかにするために、NMR測定による、詳細な構造同定を行う予定である。
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