配分額 *注記 |
22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2007年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2006年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2005年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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研究概要 |
本研究は,高効率,高選択的な両親媒性フラーレン・炭素クラスターの合成法を利用し,効率的にフラーレン・炭素クラスター上に分子認識場を構築,ホスト分子として機能する分子を創出することを目的とするものである.この研究では、独自の反応開発によるホスト分子ライブラリの構築と、それらを利用したゲストのスクリーニング、さらには分子認識の情報増幅による機能化をおこなう.研究最終年度である本年度は高機能化を目指し,5つのオリゴ糖を置換基にもった高度に官能基化されたフラーレン誘導体の合成法を開発した.これによりオリゴ糖の冠状配置を実現し,15個の糖をもつ誘導体の合成を行なった.この誘導体は,予備的検討において,志賀毒素たんぱくに強固に結合することを見いだしており,今後毒素抑制剤等の開発が期待できる.本研究ではさらに,捕捉されるゲスト分子の探索研究を展開し,極性頭部をもつフラーレン誘導体からなる二分子膜集合体が,中性小分子のホストとして特異な性質をもつことを見いだした.すなわち,フラーレン二分子膜は水分子をエントロピー捕捉する特異な膜であり,加熱時により捕捉能が上昇する極めて稀なホスト物質であることを明らかにした.この成果は新しい機能をもつ膜物質として注目され,多くの報道機関や学会会報で報道されている.本研究は,官能基冠状配置法の開発,その巨大炭素クラスターへの展開,高機能性誘導体の開発,さらに異常機能の発見を行ったものであり,当初計画以上の研究成果が得られたものである.
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