研究課題
若手研究(A)
申請者は、"構造刷り込み法"を利用したゲルの調製により、従来に見られない性質や機能をゲルに導入することに取り組んできた。その結果、1)構造色を発現するゲルの構築手法の確立、および、2)構造色変化から分子レベルの挙動を解析する手法の開発、という二つの成果が得られた。各年度で行った研究内容を以下に示す。平成17年度与えられた環境で望みの構造色を示す構造発色性ゲルの調製が可能となった。平成18年度特定の物質の添加に応じて色が変わるセンサーとしての利用の道を切り開いた。平成19年度光の照射、電場の印可などによって色が変わるディスプレイ用デバイスとしての利用を検討した。今後は、このようなモルフォ蝶の翅の構造発色性を参考にして、角度依存性のない構造発色性ゲルを構築する手法を開発する。この研究により、"構造色は光の波長オーダーの周期的な構造によって生じており、構造色は角度依存性があるもの"だという従来のイメージを払拭し、不規則性や色素の導入などの新たな効果を施すことで、"構造色にも多様性がある"ことを具現化できると考えている。さらに、このような構造色の多様性を、我々がこれまでに研究してきた環境応答型構造発色性ゲルに付与すれば、全反射型のディスプレイや簡易型センサーなど、光学デバイス開発へと展開できる。
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