配分額 *注記 |
29,120千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 6,720千円)
2006年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2005年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
|
研究概要 |
本研究課題は,直流高電圧の印加によって活発なジェット流を発生する電界共役流体(Electro-conjugate fluid, ECF)を利用してマイクロロボットアームに適用可能なマイクロ人工筋アクチュエータを実現し,その制御法を確立したのち,これらを用いたマイクロロボットアームを具現化することを目指す.平成19年度はECFマイクロ人工筋アクチュエータのセル形プロトタイプの実現と制御法の確立およびマイクロハンドの構築を計画し,以下の成果を得た. はじめに,ECFマイクロ人工筋アクチュエータの構成部であるECFジェット発生部,繊維強化シリコーンゴムチューブ,およびECFタンクを一体化し,実際にマイクロロボットアームに搭載可能なセル構造を提案し,プロトタイプを試作した.とくに昨年度の成果を改良し,小型化および構造の簡単化を行った.この結果,ECFジェット発生部を内蔵した繊維強化シリコーンゴムチューブの周囲にECFタンクを配置したφ10mm×12mmのECFマイクロ人工筋セルを実現した.また,このセルを複数個,直並列に集積化することによって,変位および発生力が増大することを実験的に確認した.さらに,ECFマイクロ人工筋セルに対して収縮変位を制御し,収縮変位0mmから1mmまで,0.2mmのステップ幅ごとに良好な変位制御を実現した.これにより,マイクロロボットハンドのためのアクチュエータとしての有効性を確認した. また,マイクロハンド実現のための新たな手法として,断面が中心角120度の3部屋を有するチューブの内圧をECFジェットによって制御するタイプのECFマイクロフィンガを開発した.本フィンガは先端部を3次元空間内で多自由度に駆動することが可能である. 以上より,ECFを利用することによって簡便な構造でマイクロロボットアームあるいはハンドを構成できることが明らかとなった.
|