配分額 *注記 |
28,340千円 (直接経費: 21,800千円、間接経費: 6,540千円)
2007年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2006年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2005年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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研究概要 |
近年,高機能マイクロマシン実現や情報機器デバイス実装のためのマイクロマニピュレーション技術への需要が高まっている.一般に,マイクロメートルスケールの微小物体は他の物体への凝着が起こりやすく,その凝着現象を制御するためには,微小物体に電界をかけることによって発生する静電力を制御することが有効であると認識されるようになってきている.そこで本研究では,「静電マイクロマニピュレーションにおいて,電子線照射による電子注入等の方法により対象物を予め帯電させ,プローブ印加電圧を制御することによって,誘電体を自由にマニピュレーションする手法を確立する」ことを目的とした. 今年度は,走査型電子顕微鏡やその真空チャンバーに対応した誘電体静電マイクロマニピュレーションシステムを用いて,微小誘電体が電子ビーム照射を受ける際にどの程度帯電するのかを理論・実験の両面から検討した.結果,微小物体における帯電のモデルは,入射電子(電子線),二次電子,放電により放出する電子など各々に対応する電流量を項に含む微分方程式で表現されることがわかった.モデルの妥当性は,電子顕微鏡による観察を通して,さまざまな寸法からなる微小粒子の帯電現象を加速電圧を変えた観察にて比較検討することによって検証された.さらに,大気中において,ポリスチレン球など,表面に微弱な導電性を持つ微小誘電体に対して,プローブに50msec幅のパルス電圧を印加することにより,対象をプローブに付着あるいはプローブから離脱することが可能であることを示した.これらの知見より,走査電子顕微鏡下における微小誘電体マニピュレーションの可能性を広げることに成功した
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