配分額 *注記 |
21,450千円 (直接経費: 16,500千円、間接経費: 4,950千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2005年度: 11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
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研究概要 |
本研究では,河川流域を超えて移動する農業用排水の水循環に対して,シンプルな地図情報(水路図,利水施設図,受益地区図等)をもとに,GIS技術を用いて,位置・領域情報,位相情報,近接情報,これら3つの情報のリレーションをとる方法を検討し,受益地区と用排水路の関係性から流域を超えた水物質循環を把握する方法論を構築するための研究を行った. 最終年度に当たる平成19年度では,平成18年度に引き続き,鳥取県千代川流域,同湖山池流域を対象に,流域内の水・物質移動に影響を与えると思われる上水,下水,農業集落排水などの利排水施設の位置とそれらの属性情報,また,灌漑用水路・排水路の形状(特に,水路網および分水工に関する情報),水田形状およびそれらの属性情報をGIS上に整備する作業を行い,その上で,それぞれの事物の相互接続性(トポロジー)情報,オブジェクト情報,リレーショナル情報を基に,流域内での水・物質移動,農業用用水路・排水路を通じた水・物質移動を計算する手法の検討を行い,GISを用いて典型的な流域水分配・水循環について流域内部での利水配分および排水集積の計算を行った. また,検証流域において用水路・排水路の流量・水質観測を継続的に行い,構築したシステムと情報を用いて,検証と堰上げ,取水管理,浅水代掻きなどの農地水管理についてのシナリオシミュレーションを行った結果,取水管理(中干しイベント以降の取水の適正化)において,排水量の削減とともに窒素やリンの物質負荷量の大幅な削減が可能であり,時期的に懸濁成分を削減できるという知見が得られた.また特に,灌漑用排水路を介して,流域間(支流域間)での水移動を解析し,河川流水に対する寄与率についても評価を行ったが,河川等の取水源からの取水量に不明量が多い場合,流出量の計算精度に大きな幅が出るため,本法の利用には取得データの精度向上が必要と考えている.
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