配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
2007年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2006年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2005年度: 20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
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研究概要 |
我々は線虫のカベオリンホモログであるCAV-1の生殖腺における細胞内動態に注目し,緑色蛍光タンパク質(GFP)とCAV-1の融合タンパク質(CAV-1-GFP)を発現する形質転換体を作製し,解析を行っている.その結果,卵母細胞においてCAV-1-GFPが受精後に同調的に細胞膜に輸送され,その後,卵割開始前に再び細胞内に取り込まれ,分解されることを見いだしている.本年度はこの受精後におきる細胞内へのエンドサイトーシスのメカニズムに注目し,解析を行った.その結果,CAV-1-GFPと同様に細胞膜へと輸送されるシンタキシンは受精後も細胞膜にとどまり分解されないことから,受精後に起きる膜タンパク質の分解には明確な選択性があることが判明した.また,その他の卵母細胞膜タンパク質であるRME-2,CHS-1についてもGFPの融合タンパク質を生殖腺において発現させ,これらの細胞内動態について解析したところ,これらも受精後に選択的に分解された.そこで,エンドサイトーシスにおいて中心的な役割を担っているrab-5遺伝子に対するRNAiノックダウンを行い解析したところ,CAV-1-GFPは受精後に細胞内に取り込まれず細胞膜上に蓄積したが,GFP-RME-2は細胞膜には蓄積せず細胞内の小さな小胞に局在化した.一方,GFP-CHS-1は細胞膜と細胞内の小胞の両者に局在化した.いずれの場合も受精後の分解がブロックされた.これらの結果から受精が完了すると減数分裂期に働く一群の膜タンパク質が複数のメカニズムによる選択的な輸送方向の制御により分解され,細胞内環境が再編成されることが初めて明らかとなった.
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