研究課題
若手研究(A)
代謝産物をプローブとして機能性食品成分の高感度モニタリングを行うための基盤的研究として、本年度は、昨年度に引き続き、in vitro、in vivoでの血管内皮実験モデルを用いた新規食品機能性解析法の確立を行うとともに、昨年度作成に成功した食品成分代謝産物の特異的モノクローナル抗体、標的蛋白質および標的アミノ酸残基のラベル化を可能とする食品成分の標識化合物を用いて、食品機能成分代謝物の血管内皮における新規生理作用を検討した。1)昨年度に作成に成功したイソチオシアネート抱合体-タンパク質付加体をハプテンとした抗ハプテンモノクローナル抗体の特異性と交差性を検証した。その結果、本抗体はイソチオシアネート-タンパク質複合体を特異的に認識することを証明し、これまでに例が少ない食品機能成分の免疫化学的検出及び定量法確立に向けての生物学的確証を得ることができた。2)昨年度、作成した、フェノールカルボン酸-bio'tin化誘導体を用いて、ポリフェノール修飾タンパク質の特異的検出を免疫化学及び分析化学的手法を駆使して行った。その結果、培養細胞での実験から、細胞骨格タンパク質であるアクチン及び、アクチン結合タンパク質Keaplへのフェノールカルボン酸による特異的修飾を見出し、第2相薬物代謝酵素遺伝子発現メカニズムへの関与といった、食品代謝産物の機能性における分子基盤に関する知見を得た。3)血管内皮は消化吸収後、食品成分代謝物の影響を受ける組織として重要であり、それらを評価する実験系の構築は生体内での生理機能の動的解析に必須である。本年度も、米国Illinois大学シカゴ校、Dr.M.Ushio-Fukaiの研究室に赴き、研究を行った。昨年度開発した、マウス及びヒト初代培養細胞を用いた増殖因子誘導性細胞内シグナルのモニタリング法を用い、活性酸素や求電子性食品因子の標的となりうる脱リン酸化酵素を同定し、血管新生過程における負の制御因子としての役割を正解に先駆けて発見した(投稿中)。また、フラボノイドの有する潜在的プロオキシダント作用を評価し、アピゲニンが細胞内に活性酸素をペルオキシダーゼ依存的に生成し、アポト7シスシグナルを負に制御していることを明らかにした。
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