配分額 *注記 |
31,330千円 (直接経費: 24,100千円、間接経費: 7,230千円)
2007年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2006年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2005年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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研究概要 |
有機イオウ化合物の不快臭低減合成を行う目的で,ジスルフィドS-S結合開裂を伴う変換反応を広くスクリーニングし,交換反応・C-H置換反応・酸化還元反応などの種々の変換反応を見出した.本年度は,ロジウム触媒を用いるチオアルキンC-S結合切断再配列反応,チオアルキンC-S結合のカルボチオ化反応,α-チオケトンのα,α-ジメチルチオ化反応を検討した. 有機イオウ化合物のC-S結合が遷移金属錯体に酸化的付加することは知られているが,効率的な触媒反応に適用した例はほとんどない.また,単結合メタセシスは基本的反応であるが,その例も少ない.二種のチオアルキンを反応させた場合,新たな二つのC-S結合を生成する反応とC-C結合とS-S結合を生成する反応が進行しうるはずである.同一のロジウム錯体を用い,適切な配位子を選択することにより二種のメタセシスを制御することに成功した. 上述の検討途中に,チオアルキンが1-アルキンに付加することを見出した.チオアルキンのカルボチオ化反応は報告例がなく興味深い.本研究によって,同一のロジウム触媒を用いて,配位子を変えることにより,チオアルキンの三つの反応を制御できることを明らかにした. ロジウム触媒存在下,メチルチオ化剤としてα-メチルチオケトンとジメチルジスルフィドを組み合わせて用いると,α-フェニルチオケトンα-C-H結合をC-S結合に効率的に変換できることを見出した.本反応には複数の平衡が存在し,15の可能な生成物を与え得るが,適切な反応条件を用いると,単一生成物を収率良く得ることができる.
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