研究課題
若手研究(A)
ヘムやメラニン、水などの生体構成物質による吸収が少ないため組織透過性が良く、かつ、生体の放つ自家蛍光がないためノイズの原因となるバックグラウンド蛍光が無視できる近赤外領域に着目し、生体成分のダイナミックな量変動をin vivoで非侵襲的に画像として捉えることができる機能性近赤外蛍光プローブの創製を目指して研究を進めた。昨年度までに開発に成功した亜鉛イオン、pHをモニターできる近赤外蛍光プローブをマウスやラットなどの小動物体内でのイメージングに供し、実体蛍光顕微鏡やマクロ蛍光観察システム、蛍光内視鏡などを用い、体内動態やどのようなシグナルを得ることができるかを精査し、分子設計にフィードバックした結果、ポリエチレングリコール鎖などを部分構造として導入して、水溶性を増加させ、観察により適する構造を導いた。また、それらを用いた生体イメージングを試み、マウスにプローブを経口投与して、胃外から胃内の蛍光観察を行ったところ、薬物によるpH変化を示す蛍光画像の取得に成功した。さらに生体内において様々な作用を有する小分子として特に注目されている活性酸素種を検出するために、その共役二重鎖への反応性に着目した新たな近赤外蛍光プローブを開発した。今後本プローブを用いて、様々な活性酸素種に依存した生命現象を動物を生かしたまま観察し、混沌とした活性酸素に関連する現象を明らかにすると同時に、より実用的なプローブへと必要に応じ、構造に情報をフィードバックして改良していきたい。
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Chemistry-An Asian Journal 3
ページ: 506-515
J.Am.Chem.Soc. 128
ページ: 6548-6549