配分額 *注記 |
31,070千円 (直接経費: 23,900千円、間接経費: 7,170千円)
2007年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2006年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2005年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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研究概要 |
疾患プロテオミクス情報に基づいた画期的創薬のための新規DDSの確立,即ち,細胞内疾患関連たんぱく質を標的とした細胞内ターゲティング技術(細胞内薬物動態制御)の開発を試み,以下の結果を得た。1)既存の主たる細胞内侵入ペプチド(PTD;Tat,Antp,Rev,VP22)のキャリアー特性を比較検討することによって,PTDを用いた細胞内薬物動態制御法の確立には,細胞内移行活性と安全性の両立およびエンドソーム脱出能の付与が必須であることを見出した。2)ファージ表面提示法を利用した独自のPTD創出基盤を開発し,医薬価値に優れた改良型PTDを自在に創出可能とした。また本方法を適用することで,既存のPTDと比較して,安全性に優れ,さらに細胞内移行活性のみを選択的に向上させた改良型PTD(mT5)の創製に成功した。3)PTD,エンドソーム破壊ペプチド,オルガネラ移行シグナルを組み合わせた独自の細胞内ターゲティング技術を考案し,本手法を適用することによって分子量数万の蛋白質をも核内へと積極的に送達可能であることを実証した。本細胞内ターゲティング技術を適用することによって,細胞質や核に局在する蛋白質を標的としたペプチド性抗がん剤の薬効を飛躍的に増強可能であることを明らかとした。以上,本研究で確立した細胞内薬物動態制御技術は,蛋白質のみならず,低分子化合物や遺伝子,さらには機能性ナノマテリアルといった粒子状物質にまで適用可能な極めて汎用性の高い方法論であることから,将来的にはポストゲノム時代の創薬基盤技術としてゲノム、プロテオーム情報を最大限に活用した治療戦略の開発に大きく貢献できるものと期待される。
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