配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,秘密分散法を,符号器および復号器に必要な計算量という観点から議論して,新しいタイプの秘密分散法を構成し,性能を解析することであった.本年度は以下の2つの研究成果を得た. 第一の成果は,(k,n)しきい値法に関する新しい形の符号化定理を,論文としてまとめたことである.本研究では,任意の情報源から出力される秘密情報をブロックごとに符号化する状況を考え,(k,n)しきい値法が満たすべき性質を従来とは異なる形で定式化し.シェアおよびディーラに必要な一様乱数が満たすべき関係式を導出した.関係式は確率的上極限・下極限という概念を含む不等式の形で記述される.得られた不等式から,シェアサイズの下界と,一様乱数の長さの下界を導出することができる.また,適当な条件のもとで,得られた下界はShamirの方法により達成されることも示される.当該論文はIEEE Transactions on Information Theoryの6月号に掲載される. 第二の成果は,複数枚の画像を扱う視覚復号型秘密分散法の一般的な構成法を与えたことである.本研究ではまず,2枚の秘密画像をn枚のシェアに分散符号化し,任意のn-1枚のシェアを重ねたときに1枚の秘密画像が現れ,全部のシェアを重ね合わせたときにもう一枚のシェアが現れる状況を考えた.研究代表者が考案した多項式表現と呼ばれる手法を用いて,2枚の秘密画像のコントラストの間に,ある線形の関係式があり,双方を同時に大きくすることができないことを明らかにした.この解析手法は秘密画像が枚あるときにも適用可能であり,得られた結果は今後国際会議に投稿予定である.
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