研究課題/領域番号 |
17700047
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機システム・ネットワーク
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大津 金光 宇都宮大学, 工学部, 助教 (00292574)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | バイナリ変換 / 複数スレッド化 / コード解析 / 実行時処理 / 自動変換 / 変数解析 |
研究概要 |
本年度は研究計画に従い、バイナリレベル複数スレッド化のためのバイナリコード解析技術の開発を継続して行った。バイナリ変換による複数スレッド化を行う場合に、複数スレッド化前のコードと同じ計算結果になることを保証するためには、バイナリコードを対象としてスレッド間でのデータ依存関係を正確に解析することが必要であり、本研究ではこれを実現するためにメモリ上に配置された変数のアドレス値を計算木により表現し、その正規形同士の同形判定により同一変数への参照であるかどうかを静的に判定する解析技術「バイナリレベル変数解析手法」と、静的に依存関係を解析し切れない変数について静的な解析情報を前提として実行時にスレッド間で真にデータ依存が存在するかどうかの判定を行う「スレッド間データ依存実行時判定手法」の開発を行った。 昨年度の「スレッド間データ依存実行時判定手法」の開発過程で得られた成果により実行時判定にかかるオーバーヘッドコストの削減が不十分であったことから、さらなるオーバーヘッド削減に向けた判定方式の開発を進めた。また、昨年度実装を開始したバイナリレベル複数スレッド化を実行時に支援するシステムの実装を継続して進めた。本年度は、昨年度開発を行ったバイナリコードのパッチ当てを行う機能ソフトウェアをベースとして実行中のユーザープログラムに対してその挙動を解析するプロファイラのフレームワーク実装を行った。本ソフトウェアシステムは現在社会一般に幅広く使われているx86プロセッサを搭載したLinux PCシステムを土台として、任意のユーザプログラムを動作させることができるものである。本システムに対して、前述のスレッド間依存変数の実行時判定機能の組み込みを開始した。 また、これらの成果を学協会誌論文、国際会議論文、学会発表等により公表した。特記すべきこととして、情報処理学会第70回全国大会において、1件の大会優秀賞(発表自体は昨年度第69回全国大会にて行った)と2件の学生奨励賞を受賞したことが挙げられ、当該分野において本研究は高い評価を受けた。
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