研究概要 |
昨年度は、オンラインシミュレーションシステム(OLS)について,比較的小規模なネットワーク制御を目的とした集中型サーバと,より大規模なネットワークを対象とした性能予測のための並列分散シミュレータの実装を進めてきたが、今年度は,集中型サーバにおけるOLS処理の高速化と性能予測部の改良,また昨年度開発した並列分散シミュレータをフィードバック作用のあるTCP通信に対応するために改良した. 集中型サーバの改良については、情報収集処理において1)最頻使用リンクの特定と2)各リンク利用率の測定を独立に処理していたものを共通化して高速化を図り、性能予測処理においてリンク利用率に閾値を設定することによる経路選択/変更とすることにより制御性能の改善が可能であることを示した。本成果は学会研究会における口頭発表をH18年3月に行い、本報告書作成時点で、国際会議発表/雑誌掲載に向けて継続して実験追加、執筆中である。 並列分散シミュレータに関しては、パケットベースのシミュレーションでは分割したシミュレーションサーバ間のデータのやりとりが膨大になるため、ある一定時間各サーバで独立してシミュレーションを実行し一括してデータのやりとりを行い、流入情報を反映させて再度同一時間のシミュレーションを繰り返す反復型システムの有効性を示してきたが、今年度はデータ転送にフィードバック作用のあるTCPへの適用性について明らかにし、従来の並列分散シミュレータと比較し実行時間、シミュレーション精度共に改善可能であることを示した。
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