研究概要 |
本研究の目的は,さまざまな種類の情報の共有化を実現するために,メタ情報となる情報の分類情報を共有する機構を構築することである.そのためには,情報マネージメント機構が使っている異なった分類体系のシームレスな連携を実現することが必要となる.本年度は,実データを対象として,階層的分類の自動統合を実現するシステムの研究開発に重点をおき,以下の研究を行った. ●動的環境下における学習アルゴリズムの研究 実際に使われているデータは,分散環境に置かれていて,動的に構造が変化することが想定される.動的な環境に追従できるようにするために,学習の際に背景知識を利用する手法を開発した.開発した手法を用いて実験を行った結果,従来までに使用されてきた手法よりも高い精度で関係の学習をできることが示された. ●統合システムの構築 前項で開発を行った技術を用いて,実データで動作するシステムの試作を行った.試作システムでは,次世代のインターネット技術と考えられているセマンティックWebにおける状況を想定した.セマンティックWebでは,メタ情報の記述にOWLと呼ばれる形式のオントロジーが用いられる.その形式の情報を読み取り,自動的に対応関係を学習する試作システムの構築を行った.また,前年度に研究を行った文献データに関して,発見した関係を表示するシステムを構築し,公開も行った. これらの研究成果は,国内外の学術会議等で幅広く報告するなどして,成果の普及につとめた.
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