研究概要 |
本研究では,オフィス,病院,福祉・介護施設,あるいは駅コンコースなど,人間が共存・共生する複雑な屋内環境や,狭い通路などで移動・作業することが考えられる全方向移動ロボットの障害物回避オンライン動作計画を検討し,ナビゲーションに利用可能な制御手法を確立する.特に,駆動輪の滑りを考えることによって,人や障害物との衝突防止を考慮した安全ナビゲーションを確立することを目的とする.本年度の研究では主に,障害物を含む動作環境における安全なナビゲーション手法に関する研究を実施した. 具体的な方法としては,駆動輪の滑り検出が可能な2輪キャスタ型オドメータを搭載した全方向移動ロボットを対象とし,平成18年度「駆動輪の滑りを考慮した軌道追従フィードバック制御手法の確立」において提案した軌道追従フィードバック制御手法をナビゲーションアルゴリズムに適用した.提案するナビゲーションアルゴリズムは,全方向移動ロボット走行時における床面と駆動輪の滑りが考慮され,人間との共存環境で衝突防止を実現し,安全に目標位置へ移動することが可能である.ナビゲーションアルゴリズムの有効性は,平成17年度「滑りを考慮した駆動輪モデルの構築とシミュレータの開発」において開発したシミュレータを発展させたものを利用することによって検証した.シミュレーションでは,移動する人間などの障害物を含む狭い動作環境において,衝突防止が可能であることを示した.本ナビゲーションアルゴリズムを「駆動輪の滑りを伴う全方向移動ロボットの衝突防止を考慮した安全ナビゲーション」とした.
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