研究概要 |
より高い完成度で本研究目的を達成するために、18年度中にはメインCPUをVR5500-ATOMとする申請時の制御システムから新システムへの移行を決断した。ここ数年性能向上の目覚しいFireWire/USB接続のカメラおよび高性能小型CPUモジュール((株)ピノー製)を導入し、CAN-Busによる高速かつ信頼性の高い体内LAN環境を実現。さらにビジョンプロセッサボード開発時の資産を生かすことで新たにヒューマノイド搭載型通信規格変換ボードを開発しCAN, i2c, Rs232/485,JTAG, SPI等の種々の通信プロトコルの高速相互変換を可能にした。これにより提案手法の基本制御性能を向上させるとともに、異なるヒューマノイドで制御システム構築する際のハードウエア制限を緩和し、本制御法の性能比較実験を容易にした。 研究成果を以下にまとめる。 1.従来システムよりも高性能な運動制御を実現しつつ複数のハードウエアに対応可能な新制御システムを開発 2.環境認識画像処理アルゴリズム(黒田05,大曽根05)により、ヒューマノイド静止/運動時に関わらず環境を認識 3.上記2と同時に自己運動状態を統合的に判断することで運動パターン生成法の切り替えタイミングを検出するセンシングシステム(石井05,井上06)を構築 4.上記3により得られる切り替えタイミングにあわせて、各種動作生成手法(朝子05,川田05)をシームレスに切り換える動作遷移(渡邊05)を実現 5.また、運動時のモーションスタビライザー(渡辺05)をmorph2へ実機実装するとともに、付随的な安定化制御として受身動作生成法を提案 以上により、環境認識と情報センシングに基づく適応運動遷移制御を達成した。この研究成果は今夏にも発刊を待つInternational Jornal of Advanced Robotic Systems, Humanoid Robotsに掲載される。
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