研究概要 |
本研究では,人間と共存する次世代ロボットに必要な,より知的でユーザフレンドリーなビジョンシステムの構築を試みた.人間と共存するロボットにおける視覚認識システムの前提条件として,以下の三点を考慮した. ・産業用ロボットにおいて一般的に用いられている能動的センサではなく,安全性・汎用性・可搬性の面で受動的センサ(ステレオビジョン)を使用する. ・照明変動がある,対象物体が乱雑に積まれている,作業対象は様々な形状(自由曲面を含む)・表面テクスチャを有する,作業対象は剛体・非剛体物体など,作業環境・作業対象はロボットに対して整備されていない. ・物体の教示や,認識の過程において一般ユーザとのインタラクションが必要である. 以上より,本研究ではステレオビジョンを多関節ロボットアーム及び2軸・3軸電動雲台に取り付けた実験装置を用意し,「ステレオビジョンによる距離画像に基づく3次元環境及び運動の認識」,「ユーザとロボットとのインターフェイス(特に教示システムにおけるジェスチャ計測)」について実現した.本年度の主な成果について以下にまとめる ・3次元物体の自由曲面上の任意点における3次元運動(3Dフロー)を検出するシステムを構築した.特に,新たな画像特徴量として高さ・カラーヒストグラム(HCH)特徴量を提案し,その有効性を示した. ・物理シミュレーションと画像処理を融合した新たな物体運動・変形推定方法を提案した. ・ユーザが動作を見せて教えるロボット教示システムを提案した.ユーザの動作を計測する手法としては,光学式モーションキャプチャを応用した. ・アーム型ロボットを利用した能動的物体認識システムを構築した.
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