研究課題/領域番号 |
17700253
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報図書館学・人文社会情報学
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
永崎 研宣 山口県立大学, 国際文化学部, 助教授 (30343429)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | インド仏教学 / 古典文献学 / 電子テキスト / デジタル・アーカイブ / テキスト・データベース / サンスクリット / デジタルアーカイブ / チベット語 / 大正新修大蔵経 |
研究概要 |
本研究は、古典文献学における電子テキスト共有基盤の確立を目指すものである。これは研究者向けデジタル・アーカイブと言えるものであり、したがって、まずは、その種のデジタル・アーカイブがこれまでどのようにして展開されてきたかを研究し、特に我が国における展開を中心に、それが人文科学と情報科学の間で弁証法的に発展してきたことを明らかにするとともに、個々のアーカイブを批判・検証することの原理的な困難さを指摘した。 一方、古典文献学における電子テキスト共有基盤の事例として、インド仏教学、中でも特に中観派および仏教論理学派の文献の構造、およびそれに対する研究手法について研究するとともに、それをより適切に扱えるシステム基盤の検討および開発を行った。また、この研究の過程で、大規模漢字仏教文献テキスト・データベースを扱うためのシステムを開発し、コラボレーションによる電子テキストの校正作業に供した。これらを通じて、Webを介したコラボレーションに際しての問題点と解決策について検討した。 Webを介したテキスト・データベースのコラボレーションにおいては、コラボレーション参加者による作業の信頼性が問題となる。これを解決するためには、作業後のデータを作業者ごとにパーソナライズして取捨選択するか、あるいは、専門家(機関)によって「確定」するという手続きをとるかの二つの選択肢があり、それらの選択は、文献が持つ性格によって行われるべきであることを明らかにした。 また、古典文献学において扱われるテキストデータは、主流となっているマークアップ言語等による階層構造が必ずしも適切であるとは限らないことから、階層構造に依存しない形でのデータ蓄積方法を研究し、テキストデータをシラブルや文字などの最小単位に分節してそれぞれにメタデータを与えることによって、サンスクリット・チベット語・漢文をはじめとする様々な言語のテキスト間の関連情報を適切に記述できることを実際に明らかにした。 今後の課題としては、より幅広い対象の文献を扱えるようにすることと、データの持続性を確保すること、それから、電子テキストの根拠情報としての画像データを適切に扱えるようにするためのフレームワークの構築が必要である。
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