研究課題/領域番号 |
17700256
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報図書館学・人文社会情報学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡部 大介 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 講師 (40345468)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ケータイ / プラクティス / 都市空間 / 社会的関係 / 社会的期待 / テクノソーシャルな状況 / ケータイコミュニケーション / 状況 / 携帯電話 / 携帯電話利用のプラクティス / ヴィジュアルコミュニケーション / undisciplined places / Ambient Co-presence |
研究概要 |
携帯電話(以下ケータイ)利用が「当たり前のこと」になるにつれ、既存の社会的規範が再編されてきた。それは公共空間におけるケータイ利用における対面的な場だけではなく、ケータイによって構築される「ケータイ空間」においてもみられる。本研究ではこのケータイ空間でなされている日常的なコミュニケーションに焦点をあて、そこでの新しい実践や社会的規範についてエスノグラフィックに調査した。ケータイ空間特有の実践としては、まず1)ケータイ空間においてコミュニケーションがなされる「状況」が興味深い。ケータイでの会話が開始される状況は、例えば「アルバイトが終わって霞車を待っている時間」といったような、ちょっとした「間」である。ユーザーは物理的な揚と連関しながらその間を埋めるべく会話を展開し、同時に「終結作業」も調整する。また、2)極めて親しい友達や恋人同士の場合、あたかも空間を共有しているかのように頻繁にメールを送受信することが期待されていた。この社会的期待を遵守する中で、「親しさ」のような内的事象も達成されている。ユーザーは、ケータイを通したコミュニケーションを介して、自分と他者との関係をその都度構築していたといえる。なお、このような社会的規範が共有されているが故に、特にケータイ空間での「不在」時に関する特有のマナーが構築されていた。 このような「ケータイ空間」とは、ケータイという技術的な側面と、対人関係や規範といった社会的側面が相互に影響しあう「テクノソーシャルな状況」とみることができる。テクノソーシャルな状況で生じる実践や、先述した愛情や親しさのような内的感情もまた、テクノロジーとユーザー、そして社会的規範との布置連関のもと可視になる事柄である。よって、ケータイというテクノロジーのユーザーを対象とする際、ケータイの技術的な影響の側面にあわせて、社会的な側面も同時に詳述していく必要があると考える。
|