研究課題
若手研究(B)
本年度は、連続した事象から言語的表象を生成する脳内情報処理を調べていく上で、これまで行っていた連続した事象の脳内情報処理に関する研究をまとめることから始めた。まず単純な連続運動中に計測したfMRI信号を独立成分分析にて解析し、どの領野が関連しているのかを確認し(Kansaku et al.,NeuroImage 2005)、さらに、連続運動に関する順序とタイミングの脳内情報処理機構を調べた(Garraux et al.,J Neurosci 2005)。次に、連続した刺激を明示的にカウンティングして知覚する場合と明示的なカウンティングせずに知覚する場合とを比較した。新規被験者を集め、異なる感覚モダリティからなる連続刺激を用意して、直前に呈示された刺激を構成する感覚モダリティを答えさせ、次に同じ刺激を提示して被験者に明示的なカウンティングを行わせた。この結果、明示的にカウンティングする際の運動前野の活動が、カウンティングせずに入力モダリティを判別しながら知覚する場合に比べ有意に強くなることを示した。さらに、カウンティング中の運動前野の活動が連続刺激のリズムによらないことや、その運動前野の活動が、数字を唱えるだけでは認められないことも示した(Kansaku et al.,Soci Neurosci Abstr 2005;NeuroImage, in press)。さらに現在は、長短の二種類の継続時間の刺激の組み合わせからなる感覚刺激に言語的表象を割り当てた課題を用いて、その言語的表象が脳内でどのように表現されているかを評価する実験を行っている。
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NeuroImage 28
ページ: 669-681
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NeuroImage (in press)
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