配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
研究概要 |
多変量競合危険データ解析のためのセミパラメトリックモデルを構築し,そのモデルに基づく分析手法を開発した。また,癌の再発時間データや透析患者のカテーテル感染時間データなど,様々な実際の医学データにそれを適用することによって,その医学データへの応用上の有効性や問題点を明らかにした。理論面では,開発ざれたセミパラメトリック手法が既存のノンパラメトリック手法に比ベてどの程度効率的であるかを明らかにした。漸近相対効率を計算することにより,大標本の場合において,セミパラメトリック推定法が非常に効率的であることが示された。また、シミューレーションによる推定誤差評価によって小標本の場合においても,セミパラメトリック推定法の推定誤差がノンパラメトリック推定法に比べて小さいことが示された。 また、医学データへの応用面では,セミパラメトリックモデルの妥当性や原因別ハザード関数や変量間の関連性(例えば,癌の1度目の再発時間と2度目の再発時間の再発部位別関連性など)をどのように評価・表示すべきであるかについて統計学と医学の両方の立場から検証した。具体的なモデルとしては,最初に起こる関心イベントまでの時間(例えば,大腸癌の術後競合危険の場合には,大陽癌再発時間と肝臓への転移時間とその他部位への転移時間のミニマム)を固定した条件のもとで,それぞれのイベントの条件付確率に対してのみ,多項ロジスティックモデルなどのパラメトリックモデルを導入することを提案した。臨床試験などで得られる競合危険データに対して,このモデルに基づく分析法を適用した。その結果,競合するいくつかのリスクのもとでの生存時間と,それに影響を与える共変量(例えば,生活習慣など)の関係について,医学的見地からも有用な知見が得られることが示された。
|