研究課題/領域番号 |
17700290
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体生命情報学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 直子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教員(特任助手) (20300890)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 蛋白質相互作用ネットワーク / ヒトホモログ / テキストマイニング / 蛋白質間相互作用ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、種を超えた蛋白質相互作用マップをシステマティックに構築し、構築したマップを用いて、癌化に関与するパスウェイの解析を行い、癌化の新たなメカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度は、昨年度研究成果によって得られた生物種の相同性蛋白質、その蛋白質の相互作用をシステムに導入し、蛋白質相互作用マップを自動的に構築できるシステムを作成した。この際、足された相互作用の由来がどの生物かわかるようにエッジを色分けし、表示できるようにした。 構築したマップが有効かどうか示すため、癌化に関与するパスウェイのうち、よく研究の進んでいる細胞周期を選択し、細胞周期に関わる蛋白質相互作用ネットワークを構築した。細胞周期に従って発現が振動する遺伝子群を用いて、ヒト蛋白質相互作用ネットワークを作成したところ、12の機能モチーフ(DNA複製、チェックポイント、フィラメント形成等)を含むネットワークが得られ、また、遺伝子の発現情報を重ねたところ、蛋白質相互作用が時期特異的に起こり、各モチーフが細胞周期の時期特異的に活性化することを示すネットワークが構築できた。さらに、このネットワークを構成している蛋白質の機能を調べたところ、38%が癌関連蛋白質であり、それらは、細胞増殖、アポトーシス、血管新生に関与するモチーフに存在していた。さらに、このデータに、他生物種で知られる相互作用を加えたところ、すでにヒトでも相互作用が知られている関係性とほとんどが一致し、他生物で相互作用のある蛋白質は、ヒトにおいても相互作用が見られ、今回作成したヒトホモログ蛋白質相互作用ネットワークが有効であることを示した。また、このほかに、ヒトではまだ同定されていない蛋白質相互作用も得られており、細胞周期に関与する新たな蛋白質を予測できる可能性を示唆した(国際学会にて発表、論文投稿準備中)。
|