研究課題/領域番号 |
17700317
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
澤本 和延 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90282350)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | コモンマーモセット / 神経細胞 / 増殖 / 分化 / 細胞移動 / 嗅球 / 幹細胞 / 神経再生 / 細胞・組織 / 神経科学 / 動物 / 脳・神経 / 発生・分化 / 霊長類 / 経細胞新生 / 神経細胞移動 |
研究概要 |
従来、中枢神経系を構成する神経細胞は、胎生期および幼弱期にのみ発生するものと考えられてきた。ところがマウスなどの齧歯類成体脳においては、側脳室の側壁に面した脳室下帯と、海馬の歯状回において新しい神経細胞が生まれることが明らかになった。近年、ヒトを含む霊長類の脳においても同様に新しい神経細胞が生まれていることが報告されているが、そのしくみと意義については充分な研究が行われていない。そこで本研究では、霊長類の脳室下帯の構造を詳しく解析し、謁歯類のものと比較した。 17年度では、マーモセット成体脳室下帯の切片を作成し、細胞種特異的なマーカーによる染色と電子顕微鏡による観察を行い、マウスの脳室下帯に存在が報告された細胞と同様の細胞群が存在することを確認した。そこで18年度は、さらにサンプル数を増やし、細胞の組成を定量的に解析した。マウスと比べ、一過性増殖細胞(typeC細胞)の同定が困難であったが、電子顕微鏡の連続切片による三次元的解析によって、少数ではあるが存在することが確認された。新生仔マーモセットを用いて同様の解析を行ったところ、成体よりも多くの増殖細胞が観察された。また、脳室下帯の構造を電子顕微鏡で観察したところ、アストロサイトが帯状に存在すること、上衣細胞が脳室面のみでなく脳室下帯内部に異所的に存在することなど、ヒトの脳室下帯に類似した特徴を有することが明らかになった。これらの研究成果により、コモンマーモセットは、再生医学への応用を目指して成体脳の神経細胞新生を研究する良いモデルとなると考えられた。
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