研究課題/領域番号 |
17700332
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
須藤 哲 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (20362048)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アポトーシス / カスパーゼ / 神経病理 / 形態計測 / APP / PS-1 / Apo-E |
研究概要 |
本研究では、APP717変異またはPS-1変異を伴う家族性ADと非家族性ADを対象に、海馬におけるNFT密度と神経細胞密度を定量的に計測し、それらの局在性の相違について検討した。さらに非家族性ADにおいてはApo-Eの遺伝子多型を検索し、E4保有数とNFTとの関連も検討した。海馬をCA1からCA4領域、subiculum、entorhinal cortexの6亜野に分割し、NFT-free neuron、細胞内NFT、細胞外NFTの密度を計測し、その分布を検討した。NFTの分布については、非家族性ADはentorhinal cortexで最も高く、次いでCA1とsubiculumで高かった。一方、APP717変異群ではCA1で最も高く、次いでCA2とentorhinal cortexで高いという分布パターンの相違を示した。同様にPS-1変異群においても、CA1で最も高く、次いでCA2とentorhinal cortex、subiculumで高度であり、非家族性ADとは異なる分布を示した。NFT密度については、APP717変異群ではCA1〜CA2で、PS-1変異群ではCA1〜CA3で非家族性ADよりも有意に高く、NFT-free neuronの密度についても、APP717変異群ではCA1で、PS-1変異群ではCA1〜CA3で有意に低下していることが明らかとなった。非家族性ADにおけるE4保有数別のNFT密度の比較では、CA1を除いて各亜野に有意差は認められなかった。家族性ADは海馬においてより重篤なNFT形成が示され、このことは海馬でNFTを伴う神経細胞死がより早期に惹起されていることを示唆し、若年発症や認知機能低下の速さといった家族性ADの臨床特徴をもたらす要因のひとつと考えられた。さらに非家族性ADでは、Apo-EE4のNFT形成への影響は少ないことが示された。
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