研究概要 |
本年度は当初の計画に沿って下記の3項目を実施した. 1.試作心電図計の基礎特性の計測と各種動作時における計測 成果の論文発表に向け,試作心電計の(1)周波数利得特性,(2)同相除去比の基礎特性を(a)布を介した場合と,(b)布を介さない場合について,それぞれ計測した.また,将来,日常下で提案装置を利用することを想定し,信号検出性能を評価するために(1)立位安静時,(2)座位安静時,(3)キーボードタイピング時,(4)歩行時,(5)自転車ペダリング時,などにおいて,着衣の上から心電図を計測した. 2.試作心電図計の仕様変更と電極に関する検討 昨年度に試作した心電計の体動耐性を向上させるため,HPFの次数を4次にあげ無線モジュールユニット内に実装した.また,ハムノイズ対策を強化するため,LPFの次数を2次に変更した.さらに,各種行動下での信号検出率を上昇させるため,(I)電極形状,(II)電極装着位置,(III)圧着方法を検討し,安定性を向上させた. 3.デジタル式無線システムの構築と試作心電計との結合 現在のアナログ式無線システムをデジタル式に変更することを目標に,315MHz帯の微弱無線モジュールとマイコンを使用した,無線伝送システムを試作した.スループット2.4kbpsの低速モジュールを使用した場合には,交流信号を安定して無線伝送できることを確認した.一方,マルチセンシングを視野に115.2kbpsの高速モジュールを使用した場合については,ノイズが混入し伝送が不安定であった.今後は,高速モジュールでの安定した無線伝送を実現し,試作心電計と結合する予定である.
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