研究課題/領域番号 |
17700446
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 国立長寿医療センター(研究所) (2006) 鹿児島大学 (2005) |
研究代表者 |
中村 康典 国立長寿医療センター, (研究所)・長寿脳科学研究部加齢性変化研究室, 研究員 (30315444)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 摂食・嚥下機能 / 超音波検査 / 頸部聴診法 / 口腔ケア |
研究概要 |
摂食・嚥下機能を超音波断層法、頸部聴診法を用い評価し有用性の検討を行った。 1.超音波断層法を用いた摂食・嚥下運動時の舌運動評価 顎口腔系の形態および機能の異常を認めない健常成人男性15名を対象に、3mlの水飲み嚥下時の舌背正中部の動きを超音波断層装置を用いてB/Mモードで抽出し、嚥下時における舌背正中部の陥凹の深さおよび運動時間を測定、分析した。また、悪性腫瘍により口底切除を行い軽度の摂食・嚥下障害患者1名も測定し健常者と比較した。 1)健常者の嚥下運動時の舌背正中部の陥凹の深さは11.52〜26.52mm、平均19.17mmであった。 2)健常者の嚥下時の舌運動時間は1.20〜1.49sec、平均1.49secであった。 3)患者では、舌背正中部の深さは13.18mmで正常群より浅い傾向を示し、舌運動時間は2.97secで正常群より延長していた。 以上より摂食・嚥下運動時の口腔期における舌動態検出に有用であった。また、口腔期における異常舌動態の検出に有用であり、正常動態回復の評価に有効であることが示唆された。 2.頸部聴診法による摂食・嚥下時の嚥下音の解析 顎口腔系の形態および機能の異常を認めない健常成人20名を対象に、唾液嚥下時および5mlの水飲み嚥下時の嚥下音を録音機能を付与した聴診器にて録音し、解析を行った。 1)健常成人の嚥下音持続時間は平均0.65secであった。 正常者の嚥下音持続時間を規定することにより、摂食・嚥下障害患者の嚥下音持続時間が変化を評価することが可能になった。 3.誤嚥性肺炎患者への専門的口腔ケアの応用 摂食・嚥下リハビリテーションを行ううえで口腔衛生管理は基本となる。歯牙を有する誤嚥性肺炎患者11名に誤嚥性肺炎加療中に口腔ケアシステムを用いて口腔衛生管理を行った。 1)歯肉炎歯数、歯垢歯数は加療前より改善し、期間中良好な口腔衛生管理が可能となった。 口腔の基礎管理として口腔ケアシステムは有用であり、今後は摂食・嚥下リハビリテーションへの系統的な応用が必要と考えられた。
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