研究課題/領域番号 |
17700478
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
身体教育学
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研究機関 | 日本赤十字北海道看護大学 |
研究代表者 |
山本 憲志 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 助教授 (70299329)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 人口炭酸泉 / 心拍数 / 血圧 / 皮膚血流量 / 麻酔下ラット / 脊髄切断 / 近赤外分光法 / 疲労回復 / 人工炭酸泉 |
研究概要 |
我々は、人工炭酸泉水浴により心拍数減少がどのような経路を介して起るかについて、麻酔下のラットを用いた動物実験系によって検討した。この現象はT4-T5レベルにおける脊髄横断により消失することを示すとともに、炭酸泉から空気中に放出されるCO_2ガスの吸入などに伴う体液性経路によるという可能性を注意深く排除した。そして、上記の現象が主に神経性経路を介して起るものであるという結論を導き出した。なお、脊髄横断後にatropine処理をしたラットでも、炭酸泉水浴に伴う心拍数減少は明らかに見られるのみならず、atenolol(β1アドレナリン受容体の選択的遮断薬のひとつ)の心拍数減少効果や、総頸動脈圧迫に伴う心拍数の反射性の上昇はよく観察されることを示し、炭酸泉水浴に伴う心拍数の低下は、交感神経から心臓への遠心性インパルスの低下によると結論した。また、炭酸泉浴における皮膚血管拡張が浸漬部皮膚局所的である。経皮的に滲入した炭酸ガスが一酸化窒素(NO)産生に関与するかについては明らかではないが、血管拡張作用を持ち、局所的産生の可能性があるプロスタグランディンの関与について検討した。皮膚組織で想定される炭酸ガス分圧上昇による血管拡張の少なくとも一部にアラキドン酸代謝産物を介するものがあり、NOの介在は少ない事を示唆した。そして、ヒトを被検者とした実験では、人工炭酸泉浸漬部の筋血流量が同温水道水より32%増加し、また、動脈圧閉時のNIRSによるOxy-Hb減少速度は人工炭酸泉浸漬部で15%大きかった。測定部位組織におけるtotal-Hbは、血管内容積を反映し、血管収縮・拡張状態に影響される。これらのことから、人工炭酸泉浴が浸漬部皮膚のみならず、筋毛細血管を拡張し、組織の血液量が増え、人工炭酸泉浴による筋酸素消費量が増加することから、筋疲労の回復に有効なことが推察された。
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