研究課題/領域番号 |
17700485
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
相澤 勝治 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 準研究員 (80375477)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 運動 / 骨格筋 / 自己分泌 |
研究概要 |
性ホルモンにはアンドロゲンとエストロゲンがある。性ホルモンの産生は男性では精巣よりテストステロン、女性では卵巣よりエストラジオールが主に分泌され、副腎からもデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が分泌される。骨格筋における性ホルモンの生理作用は、筋タンパク同化作用、筋機能亢進やエネルギー代謝の調節など男女共に重要な役割を担っている。性ステロイドホルモン合成酵素は性ホルモンの代謝変換に関与する酵素であり、これらの酵素が働くことによって性ホルモンの合成が行われる。特にDHEAからアンドロゲンやエストロゲンの代謝に必須である3beta-HSD、17beta-HSD、P450aromは、主要な性ステロイドホルモン合成酵素である。我々は、骨格筋局所においてもこれらの性ステロイドホルモン合成酵素の働きによって、性ホルモンが産生されることを明らかにした。しかし、運動による骨格筋局所の性ホルモン産生機序については不明であり、さらに性差の存在についても明らかにされていない。 そこで本年度は、一過性運動による骨格筋内の性ホルモン合成経路の発現変化を性差の観点から検討した。10週齢の雄および雌ラットに30分間のトレッドミル走を行わせ、運動直後に腓腹筋を摘出し、3beta-HSD、17beta-HSD、P450aromのmRNAおよびタンパク発現を検討した。運動後に雄雌ともに17beta-HSDmRNA発現は有意に増加した。3beta-HSDmRNAは雄のみ運動後に増加した。一方、運動後のP450arom mRNAは雄では増加し、雌では減少した。またタンパク発現も同様の変化を示した。性ホルモン(アンドロゲンとエストロゲン)の産生には男女差を認めるが、運動による骨格筋局における性ホルモン合成酵素の応答にも性差を認め、男女間の性ホルモン産生を局所にて補う機構が存在している可能性がある。以上の結果から、運動により骨格筋内で性ホルモン合成代謝が活性化し、その応答には性差が存在する可能性が考えられる。
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